Waterfall Villa

沖縄・瀬底島に建設された別荘です。将来的には宿泊施設として転用されることを踏まえて計画を進めました。敷地は海へ下る緩やかな斜面地で、目の前には沖縄の海が広がっていますが、海との間に別施設が建設されることが決まっており、建築デザインを通じて海への眺望と室内へのプライバシーをどう確保するか模索しました。

Data

竣工年
2022
主要用途
別荘
工事種別
新築
構造・規模
鉄筋コンクリート造・1階建て
敷地面積
343.03㎡
建築面積
67.81㎡
延床面積
59.07㎡
担当
鹿内健+渡辺裕貴
構造設計
TTSE株式会社
デザインプロデュース
株式会社マリアス
インテリアデザイン
渡邊広美
施工
株式会社Alex
写真
鳥村鋼一/鳥村鋼一写真事務所

Award

2022年
ACCA 2022 Honourable Mention Projects
2022年
ARCHITECTURE MASTERPRIZE 2022
2022年
Luxury Lifestyle Awards 2022

沖縄の海を望む別荘

沖縄・瀬底島に建設された別荘です。東京から飛行機で3時間、那覇からは車で2時間の距離があります。敷地は南東向きで、海へ緩やかに傾斜していました。周囲は緑が多く手つかずの自然が残っており、施主は小さくても自然を楽しめる別荘を求めていました。また別荘として利用した後は宿泊施設として転用することを検討されており、建築物としての魅力も必要です。ただ眺望を期待する海側(前面道路の反対側)には別の宿泊施設の計画があり、眺望・デザイン・プライバシーの確保を兼ね備える必要がありました。

プライバシー確保と海への連続を兼ねる斜めの壁

断面検討をすると、壁を設けて見えづらくする必要があるのが分かりました。東京のような都市部では壁を巡らせてプライバシーを確保するのですが、沖縄のような自然豊かな環境では閉じすぎると周囲の自然を堪能しにくくなります。必要な高さで壁をつくり、囲いすぎないのが大切だと考えデザイン検討をしました。その検討の中で「どうにかして海と別荘の連続感を生み出せないか?」と考え、壁を斜めにしました。壁の頂部から水を流すことで「海の水が別荘のプールに流れ込む」ドラマチック性とプライバシー確保を実現させました。

逆インフィニティプール

リゾートホテルにはインフィニティプールというスタイルがあります。主に海側のプールのエッジを消して、プールの水が海側に流れ落ちることでプールが海に連続しているように見せる手法ですが、今回はその逆を行っています。海の水があたかも斜面を伝ってプールに流れ込むようにし、敷地としては海の最前列ではなく、海から距離があっても沖縄の自然を引き込むように意図しています。プールの水はろ過装置を経由して再度斜め壁の頂部に供給され、絶えず流れ込むようにしています。

建築物としての魅力

水の流れを取り入れるアイデアは施主の一言がきっかけでした。施主は友人を呼んで別荘を楽しんで欲しいと思っており、玄関の正面などにガラス面に水を流す装飾などを設置してはどうか、と話していました。来客への驚きの提供は、将来的な宿泊施設での魅力に繋がる可能性がありますが、室内の装飾装置では沖縄でなくても実現できてしまうという懸念がありました。プール側の斜め壁で実現したことで、宿泊施設を利用するゲストはエントランスから室内に入ってすぐに、この海から水が流れ込む体験をすることになりました。

三角形の外観

建物は水の流れる斜め壁と呼応するように屋根に勾配をつくり三角形の形状としました。宿泊施設のゲストが建物を訪れる際に、特徴的な外観となることも意図しています。一見すると窓もない抽象的な造形物であるので、どのような施設なのか何のために作られているか分からないようにしていますが、室内に入ると沖縄の自然と接続する意図を感じることができます。

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視線を絞る斜め天井

室内の天井はプールや海に向かって低くなるように設計しています。眺望が良い方向には大開口を設計し大きく開くこともできますが、今回は敢えて絞ることで水平線と流れ落ちる水に視線がむかうようにしています。プールの水面に反射した光が斜め天井を伝うことで、室内は閉ざされているにもかかわらず明るい空間となっています。

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自然を楽しむプールサイド

プールサイドにはバーベキューができるテーブルとジャグジーを設置していますが、水の流れ落ちる斜め壁や建物を形作る両側の壁によりプライバシーは確保されています。室内面積はコンパクトにしていますが、屋外にも自然を楽しめる場所を散りばめました。

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ミニマルな客室・水廻り空間

寝室・洗面室・シャワールームは必要最低限なミニマルな広さ・設備としていますが、屋外のジャグジーから直接アクセスができるなど滞在時にゲストが楽しめる作りとしました。またエントランスは地面から1.5m上がることで眺望を確保しつつ、大きな手荷物を持っての上下移動を最小限としています。

Special

Interview

隣地の建物の影響をなくし、抜群の景色を 逆インフィニティプールが叶えた沖縄の別荘

「Waterfall Villa」紹介記事 |KLASIC 2026年9月